昭和基地で観測される午前側Pc5地磁気脈動の偏波主軸方向の特異性
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概要
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南極昭和基地で観測される午前側Pc5地磁気脈動のH-D成分間の偏波は顕著な特異性を示す。他の観測点の偏波主軸が一般的に磁気北東方向を指すのに対し, 昭和基地の偏波主軸は磁気北方向を指す。本研究では, 昭和基地を含め昭和基地から数10km離れた二つの観測点と数100km離れた二つの観測点で同時観測された地磁気変化データから, 昭和基地で現れる午前側Pc5脈動の偏波主軸方向の特異性を明らかにすることが目的である。その結果, 以下のことが明らかとなった。1) 午前側Pc5脈動の偏波主軸方向の特異性は, 昭和基地近傍で顕著に現われ, 時刻に依存しない。2) その特異性はH-D成分間の振幅比よりも位相差の変化の影響を受けている。特にD成分の位相変化による。3) 昭和基地で現われる位相変化は, H成分で10°の進み, D成分で30°の遅れを持つ。これらの特性を持つ可能性として, 昭和基地で観測されるPc5脈動の偏波主軸方向の特異性の原因は, 昭和基地近傍における不均質な地下誘導電流の局所的な効果によるものと推論される。
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