第 32 次南極地域観測隊気象部門報告 1991
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概要
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この報告は第32次南極地域観測隊気象部門が, 1991年2月1日から1992年1月31日まで昭和基地において行った気象観測の結果, 1990年12月26日から1991年12月1日までのあすか観測拠点における気象観測の結果ならびに, 1990年11月から12月に行った「しらせ」船上でのオゾン観測結果をまとめたものである。観測方法, 設備, 結果の取扱い等は, 昭和基地及びあすか観測拠点とも第31次観測隊とほぼ同じである。なお, 昭和基地では, 紫外線B領域の観測を始めるなど地上放射観測の充実を図った。あすか観測拠点では, 南極気候変動研究計画の一環として気水圏研究部門が計画した, オメガゾンデによる高層気象観測を16回実施した。越冬期間中特記される気象現象としては, 次のものがあげられる。1) 昭和基地ではブリザードの襲来が34回あり, あすか観測拠点におけるブリザード日数は82日間あった。2) 昭和基地における年間の日照時間の合計値は観測開始以来最も少ない1684.9時間であった。3) 3年連続でオゾンホールを観測し, 日別値では9月30日のオゾン全量が159m atm-cmと観測開始以来2番目に低い値を記録した。4) 5月23日, 昭和基地付近でハイドローリックジャンプによる雪煙の渦塔が観測された。