<講演>工業化のメタファーとしての機械 : 新しい社会史からの一批判
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概要
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講演, Lecture1984年6月4日に開催された同志社大学アメリカ研究所講演会記録をもとに訳出されたものである。グリフィン教授(Clyde C. Greffen)は、1960年コロンビア大学よりPh.D.を取得し1975年以来ヴァッサー大学の歴史学教授の職にあり、アメリカ研究の教育プログラムに関与している。従来のアメリカ研究への関心も強いが、新しい社会史の観点をもち、両者を結ぶ接点を模索しようとする。こうした立場から教授には、19世紀における移民史・都市史を中心に多岐にわたる優れた業績があり、中でも夫人との共著になるNatives and Newcomers: The Ordering of Opportunity in Mid-Nineteenth-Century Poughkeepsie(1978)は19世紀社会史のケーススタディとして特に有名である。本講演もこの研究に基づき、工業化についての、従来からの極めて単純化されたネガティヴな見方の危険性を指摘しようとするものである。昨今特に産業革命期の社会史への関心が強い中で、本講演の訳出には意味があろう。
- 1985-03-25