銀河X線観測結果
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概要
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1965年3月から1966年3月までに銀河X線の観測のためにL-3-3, L-3H-1, K-9M-12,K-9M-15の4機のロケットが用いられた.このとき使用されたX線検出器はシンチレーションカウンター,比例計数管,GM計数管の3種である.この結果L-3-3とL-3H-1ではおもにX線の等方成分特に後者では大気上層からくるアルベドX線のエネルギースペクトルが5〜40Kevのエネルギー領域にわたって得られた.われわれの結果によると,銀河X線の等方成分のスペクトル形はべきエネルギー分布とするとその負べきは微分形で1.9±0.2によく合う.他方,指数関数形だとすると(1.5±O.5)×10^<80>Kに相当する自由-自由遷移の高温プラズマの熱ふく射に合う.一方,銀河X線源のうちScoX-1のエネルギースペクトルはK-9M-12によって2〜20Kevのエネルギー範囲で測定され,その形は(5±1)×10^<70>Kの高温プラズマの熱ふく射とする指数関数形によく合うことがわかった.Taux-1では1〜6KeVはK-9M-15により5〜40KevはL-3H-1によって得られたが負べきスペクトルで1.5〜3のべきに合う.ここに示した差はエネルギー領域で異なることを意味する.CygX-1(CygAも含む)のエネルギースペクトルはK-9M-12とL-3H-1で得られたが,これは負べきのエネルギースペクトルに合わすと1.6±0.5によく合う結果になった.以上の結果はX線のスペクトルの形としてべきエネルギー分布形と指数関数形との二種があることがわかった.
- 宇宙航空研究開発機構の論文