化学平衡への対数図表的解析
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概要
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今全濃度C_iなる或る一価の酸塩基対a_i-b_iを含む水溶液中でC_iを一定にさせ, 一方広い領域内で溶液のpHを変化させるとしょう。その溶液が酸性つまりpH<pka_i-1の場合は近似的に次の様に置くことができる。iはいずれもindexの記号とする。[a_i]=C_i, pH=pka_i+log [b_i]・C_i^<-1>すなわちlog [a_i]=log C_i; log [b_i]=log C_i-pka_i+pHこれに対し溶液がpH>pka_i+1の時は同様にして次の近似式を得ることができる。つまりlog [b_i]=log C_i; log [a_i]=log C_i+pka_i+pHそこでlog [b_i]をpHに対して目盛ればカーヴが出来るがそれは低pHの所では勾配1(45°)の直線部分を有しpH=pk_aのあたりで次第にゆるやかに曲がり, しまいにはlog C_iなる高さの縦座標をもつ水平な直線へと移行する。それとは反対にlog [a_i]のカーヴは一本の水平な直線ではじまりpHが高かまるにつれて勾配-1なる直線へなめらかに移行する。±45°の勾配をもつこれら二本の線の延長線は点P(pka_i, log C_i)で交叉する。pH=pk_a±1の近辺は遷移領域でありそこではこれらのカーヴはより湾曲し, つまりこれらは相互に点(pka_i, log Ci/2)で切断しておりP点の下方0.3単位(≒log 2)の所で交わることになる。(Fig IA)しかしこの遷移領域は平衡の計算間題にとってはさほど直接的な意味はない。此の図表にはlog [H^+]=-pHとlog [OH^-]=-pk_w+pHも記入されているがこれらのイオンの活動度係数はf_i=1と前提される。若し一つの溶液中に数個の酸塩基対が存在すれば我々はその各酸塩基対に対しカーヴを画くことが出来, それにより比較的容易にいずれのイオン種がその濃度条件で重要かとか又多くの場合pHの近似値等を見出すことができる。対数図表の原型は最初デンマークのBjerrumにより創案されその後スウェーデン(O1ander, Arnfelt, G.Hagg, L.G.Sillen等)にて引き継がれ発展して来た。
- 東海学園大学の論文
- 1978-10-30
東海学園大学 | 論文
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