<原著>食事性肥満の成因 第2報 : 食物中の糖質及びタンパク質について
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概要
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正常なICR系マウス7週齢の雌を用いて高糖質食として高グルコース食,高マルトース食,高スターチ食及びカゼインを用いた高タンパク質食を自由摂食させ,肥満化に対する食物中の糖質及びタンパク質の影響を検討した。まず,各摂食群の実験期間中の体重及び摂食量と10日目の体比重及び腹腔内脂肪量を調べ,さらに膵臓及び腸管内アミラーゼ活性と血糖について対照群と比較検討し,次のような結果を得た。1)体重は高タンパク質食群のみが実験開始直後に一過性の減少を示したが,その後回復し,10日目には各摂食群に有意差は認められなかった。2)摂食量はすべての高糖質食群で対照群より有意に少なく,高タンパク質食群は対照群とほぼ同じであった。3)体比重は高グルコース食群と高マルトース食群で有意の低下,すなわち肥満化を示した。4)腹腔内脂肪量はすべての摂食群で増加を示し,特に高グルコース食群と高マルトース食群では対照群の2倍以上と著しい増加を示した。5)膵臓アミラーゼ活性は高糖質食のうち肥満化を示した高グルコース食群と高マルトース食群及び高タンパク質食群で有意の増加,高スターチ食群で減少を示した。一方,腸管内アミラーゼ活性は高糖質食群で有意の減少,高タンパク貪食群で有意の増加を示した。6)血糖は肥満化を示した高グルコース食群と高マルトース食群で有意の上昇を示した。高糖質食でもアミラーゼ作用の調節を受けにくい高グルコース食群と高マルトース食群で肥満化を示し,いずれも膵臓アミラーゼ活性の増加,腸管内アミラーゼ活性の減少,高血糖を示した。
- 千葉大学の論文
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