<論文>児の年齢階層別に見た母親の育児不安
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概要
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本調査研究は,児の成長もしくは発達に伴って発現する行動に対する母親のネガティブな感情を育児不安感として調査し,その内容を横断的検討することによって,保育所における子育て支援や保育士養成に有用な基礎的資料をえることを目的にしたものである。その結果,第一に,児が2歳時に母親の育児に対するネガティブな感情は高まり,加齢に従いその感情は解消される傾向にあったこと,第二に言語領域では,書字・読字に関する不安,曜日・日時に関する不安は3,4歳をピークとする双峰型であったこと,第三に情緒領域では不安のピークが分散する多峰型でネガティブな感情が持続しやすい傾向にあったこと,第四に問題行動領域は,他領域に比し多くの母親がネガティブな感情を訴える項目が多く,一部の項目では2歳の時に6割以上の母親がネガティブな感情を示し,その傾向は3,4歳まで持続し半数以上の親が不安有りと回答していた。第五に日常生活領域では2歳児にピークが高く,その後急速ににネガティブな感情が消失することを明らかにした。今後は,さらに育児不安を引き起こすストレッサーの発見に努めると共に,今回得られた知見を利用して育児相談マニュアルの開発に努めていきたい。
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