言語論哲学の基礎を求めて : ヴィトゲンシュタイン研究(?)
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概要
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ウィトゲシュタイン研究〔I〕は, 《論理哲学論考》を扱った。ウィトゲンシュタイ研究〔II〕は, 《哲学研究》の第一部, 第133節までを扱った。〔I〕と〔II〕で明らかにしたことは, 次のことである。 《論考》の言語観は理想言語であり, 《論考》の哲学はこの理想言語によって言語批判を行ない, 《論考》の意図はこの言語批判によって「語ることのできる言語」<理想言語>の彼方に, 「語ることのできない」倫理的な領野を示したことである。 これに対し, 《研究》の言語観は言語ゲームであり, 《研究》の哲学はこの言語ゲームによって言語批判を行なっているが, それならば《研究》の意図は, この言語批判によって「語ることのできる言語」<言語ゲーム>の彼方に, 《論考》の場合と同じく, 果して再び「語ることのできない」倫理的な領野を示すことであろうか。従って次の課題は, <言語ゲーム>という概念の用法を, 《研究》の第134節以降で更に究明することである。そしてその成果をまって, 《論考》と《研究》とに共通していると思われる意図, すなわちウィトゲンシュタインの思想の根柢にあると考えられる<倫理的なもの>に迫ってゆくことであろう。
- 城西大学の論文
- 1980-03-20
著者
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