<原著>培養分化糸球体上皮細胞におけるb-FGFによるカテプシンLとその阻害物質の分泌制御
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概要
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目的:種々の疾患において,蛋白分解酵素とそれを制御する細胞増殖因子が,細胞外基質の再構築に重要な役割を担っている.今回,細胞増殖因子であるb-FGFによる培養分化糸球体上皮細胞からの蛋白分解酵素とその阻害物質の分泌について検討した.対象:培養分化糸球体上皮細胞が分泌した蛋白分解酵素(カテプシンL)とその阻害物質(シスタチンC)を検討対象とした.方法:イムノブロットにより細胞増殖因子投与時の蛋白分解酵素とその阻害物質の分泌変化を検討した.結果と結論:b-FGFはカテプシンLの分泌を増加させたが,シスタチンCの分泌には影響しなかった.糸球体上皮細胞において,蛋白分解酵素であるカテプシンLは細胞増殖因子であるb-FGFにより制御されていた.糸球体上皮細胞から分泌増加されたカテプシンLは,結果的に糸球体基底膜を分解亢進に導き,糸球体硬化の進展に重要な役割を担っていることが示唆された.
- 順天堂大学の論文
- 2002-03-22
著者
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