<原著>難病患者に共通の主観的QOL尺度の検討と基準関連妥当性
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概要
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目的:<難病患者に共通の主観的quality of life尺度(主観的QOL尺度)>の開発時に課題となった点について検討し,さらに,Short Form 36 Health Survey(SF-36)を使用して主観的QOL尺度の基準関連妥当性を検討した.対象:全国の保健所のうち,本研究に調査協力可能であった30保健所管内における新規,継続特定疾患医療受給者2,060人とした.方法:特定疾患治療研究事業医療受給申請書,臨床調査個人票,主観的QOL尺度,SF-36を対象者に対して調査し,内的構造の確認,SF-36各サブスケール得点との相関関係等を検討した.結果:1)有効回答者数1,563人(対象者2,060人のうち,調査協力に同意しなかったあるいは回答拒否者497人),有効回答率75.9%であった.2)因子構造として病気に対する《受容》と《志気》の2因子の構造(2因子で初期の固有値1.0以上,累積寄与率70%以上)で,開発時の因子構造との変化は認められなかった.3)信頼性・内的整合性が高く(α係数=0.85),主観的QOL尺度の得点分布において正規分布に近い分布を示した.4)重症度・病状との関連性については有意な関連性は認められなかった.5)SF-36サブスケールのうち,<心の健康><活力><全体的な健康観>で中程度以上(r≧0.5)の有意な相関関係が認められた.結論:開発時の課題点を考慮して,調査対象として難治性皮膚疾患,特発性拡張型心筋症などの疾患を加えADLの低い対象者を含め,各疾患の機能水準を評価するために重症度・病状を調査内容として加えて,主観的QOL尺度の妥当性を検討した結果,内的妥当性が得られ,各疾患の重症度や病状に影響されることのない尺度であることが確認された.SF-36との関連性より基準関連妥当性のある尺度であることも確認された.
- 順天堂大学の論文
- 2003-03-28
著者
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