<論文>児童における入り混じった感情の理解とその発達
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概要
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うれしい気持ちと悲しい気持ちが入り混じった感情を経験すること自体は,子どもにもありうることである。はたして,子どもはそのような入り混じった感情を対象化して理解することができるのだろうか。本研究では,入り混じった感情が生じると思われる状況をあらかじめ8歳〜12歳の子どもたちに与え,その状況で登場人物が感じる感情とそれが生じた原因について説明を求めてみた。その結果,次のことが見出された;(1)自発的に入り混じった感情を説明することは,12歳児はできたが8歳児には困難であった。(2)補足質問をすることによって,8歳児でも状況の中にある正負それぞれの感情を引き出す要素を答えることができた。そこから,入り混じった感情を理解することは,児童期には基本的には可能になるが,それについてよく統合された表象をもつことやそれを操作することは,児童期中期から後期にかけて可能になっていくことが示唆された。
- 東洋大学の論文