<論文>強迫神経症(家族巻きこみ型)の女性に対する家族療法的アプローチとイメージ技法の有用性について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は,強迫神経症(不潔恐怖,家族巻き込み型)の女性(35歳)の症例報告である。面接回数は10回で,家族療法とノン・バーバルな技法(誘導イメージ,エンプティ・チェアーなど)を用いて治療を行った。その結果,クライエントの清潔へのこだわりは,日常生活に支障がない程度までに改善し,家族への巻き込みもなくなった。本症例への治療で効果的であったことは,(1)家族療法的なアプローチにより,問題の視点を「不潔恐怖から抜け出すこと」という直接的な解決から,「家庭内の人間関係を変える」ということに転換したこと,(2)強迫観念にかりたてる要因のプラス面とその背後にある怒りの感情に気づかせるために,誘導イメージを用いたことであった。
- 東洋大学の論文