老人性白内障に対する白内障手術後経過における残余屈折異常に関する検討
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概要
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原著論文老人性白内障手術後経過における手術起因性角膜乱視および残余屈折異常について検討した.対象は,乱視6.0ミリ切開群61眼(平均年齢78.8歳),乱視3.8ミリ切開群116眼(平均年齢74.3歳),乱視3.0ミリ切開群228眼(平均年齢73.7歳)であった.白内障術後のすべての期間において,切開幅が小さくなるほど手術起因性角膜乱視が少なかった.3.0ミリ切開群と3.8ミリ切開群の両群とも視軸切開縁間距離と手術起因性角膜乱視の間に有意な相関は認めなかった.白内障術後の残余球面屈折誤差は,4種類の眼内レンズ(IOL)すべてで経時的に近視化を示し,AQ110NVでは他のIOLに比し有意に強く近視化された.前房深度は,2種類のIOL(AQ110NV,824C)で経時的に浅くなり,術後3ヵ月目ではAQ110NVが824Cに比し有意に浅かった.以上より,無縫合白内障手術では切開の長さとIOLの種類を選択することにより,残余屈折異常の軽減が可能になり,さらに術前の屈折異常を補正することも可能であると考えられた
- 金沢大学の論文
- 2001-12-20