フェンタニルの脳移行におよぼすプロポフォールの影響 : ラットによる検討
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概要
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原著論文フェンタニルの脳移行に及ぼすプロポフォールの影響について検討した.実験はラットを用い,フェンタニル単独またはプロポフォールと併用で単回静注した場合と,単独または併用で60分間持続静注した場合の血中濃度と脳内濃度を測定した.単回静注では,プロポフォール併用によってフェンタニルの血中濃度は変化しなかったが,脳内濃度は約2/3に低下した.脳血流量は単独と併用間に有意差はなかった.持続静注では,プロポフォールないし脂肪乳剤の併用で,血中濃度が単独投与の場合の約1.5倍に上昇したが,脳内濃度はプロポフォール併用で約1/2に低下した.脂肪乳剤のみの併用では,血中濃度は上昇したが脳内濃度は減少傾向を示す程度であった.以上より,プロポフォール併用でフェンタニルの脳移行が抑制され,脳血流量変化および脂肪乳剤の関与は否定的で,プロポフォール自体がBBBの能動輸送低下に関与していると考えられた.また,両剤の併用麻酔法では,血中と脳内濃度に乖離があり,投与量・投与速度には細心の注意が必要と思われた
- 2001-12-20