<研究ノート>企業組織の政策科学的研究 : 経営戦略と組織の相互浸透の視点から
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概要
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研究ノート本稿の目的は、企業組織を、戦略と組織の相互浸透の視点から政策科学的に研究することにある。第2 章では、経験科学である「政策科学」の方法を探る目的をもって、客観性確保の視点から、「価値判断」の意味を見ると共に、「正義」の概念を再検討し、政策科学が研究成果に基づき、政策判断に積極的に参加すべきことを述べる。第3 章では、組織を社会システムのひとつとして捉える立場から、システムの意味を探るべく、二十世紀の中葉までに登場したシステムの古典理論を再検討し、組織の基礎理論として、また政策科学との関係からシステム論を見る。続く第4 章では、システム論を踏まえ、組織有効性と組織充足性に照らし、経営管理論(テーラー、フェイヨル)、過程論(フォレット)、近代組織論(バーナード、サイモン)の組織の古典理論を政策科学の観点から、再検討する。第5 章では、理論と実際を架橋すべく、戦略、そして経営進化について考察する。そして第6章で、オムロン社を、戦略と組織の事例研究としてとり上げる。すなわち、製造部門に収益力の基盤を保証する、品質、納期、生産工程の運営の各面で、きっちりと製造する能力を見、本社の戦略立案と組織観に経営の可能性を展望する。