<原著>全身性エリテマトーデスにおけるImmunoglobulin Gの荷電と糖鎖
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では全身性エリテマトーデス(SLE)の腎症の要因を明らかにするためにimmunoglobulin G(IgG)の荷電状態と蛋白尿の有無ならびにDNA結合能を比較し, 併せてIgGの荷電に影響する糖鎖の異常を調べた.蛋白尿を伴うSLE患者のIgGは蛋白尿を伴わないSLE患者や健常者, 他の膠原病患者に比べて陽性に荷電していた.酵素抗体法による一本鎖および二本鎖DNAの混合物に対する抗体価は陽イオン交換カラムによるIgGの各分画のうち陽性荷電領域で高値を示した.一方Farr assayによる二本鎖DNA結合能は, 蛋白尿を伴うSLE患者で特異的に陽性荷電領域に存在する傾向を示した.レクチンによるaffinoblottingでは, IgGの荷電が陽性に偏位している患者でガラクトースならびに陰性に荷電した糖鎖であるNアセチルノイラミン酸を欠損するIgGの割合が高かった.これらのことからIgG結合糖鎖の異常がIgGの陽性荷電への偏位をもたらしSLEの腎症の成因に関与すると思われる.
- 1999-06-25
著者
関連論文
- 全身性エリテマトーデス患者の生活の質(Quality of life, QOL) : 簡便法による予備的検討
- 全身性エリテマトーデスを合併した精神分裂病患者の一例
- 11. ヒト末梢単核球の増殖能,サイトカイン産生能に及ぼすレチノイン酸の影響(第53回近畿大学医学会学術講演会)
- 395 自己免疫性肝炎を合併したMCTDの一例
- 25.シェーグレン症候群に自己免疫性硬膜炎と視神経炎を合併した1例
- 8.多発性筋炎とDystrophic Myopathyの鑑別に苦慮した1例
- 当科における原発性抗リン脂質抗体症候群とSLE合併抗リン脂質抗体症候群の臨床的検討
- 1.当院で過去10年間に経験した, 抗リン脂質抗体症候群12症例の解析
- 11.難治性ループス腎炎に対するサイクロフォスファミド大量静注療法の効果
- 18.原因不明の発熱を主訴に当科に入院した178例の解析
- W-4-6 顆粒リンパ球増加症に伴う赤芽球癆に対するCytapheresisの効果
- 12.成人T細胞性白血病50例の臨床的検討
- 全身性エリテマトーデスにおけるImmunoglobulin Gの荷電と糖鎖