<原著>ウサギ関節軟骨欠損とフリーラジカル
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概要
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ウサギ膝関節軟骨欠損モデルを作製し, メカニカルストレス(5kg, 10分間)下でのフリーラジカル(スーパーオキシド : SO, 一酸化窒素 : NO)の経時的変化と術後16週目までの組織学的変化を親察した.軟骨下骨に達する関節軟骨直径5mm欠損モデルでは術後1日目〜2週目でSOとNOが上昇し, 術後3週目で最大となり, 術後4週目からは漸次減少した.直径5mm欠損モデルに自家肋軟骨膜を移植した場合, 直径5mm欠損モデルにみられたSOとNOの増加はともに完全に抑制された.組織学的には直径5mm欠損モデルでは欠損部は術後3週目より線維性組織で置換され修復されなかったのに対し, 自家肋軟骨移植群では術後3週目より軟骨細胞様細胞の新生を認め, その後軟骨様組織で修復された.これらの結果から, 関節軟骨欠損における術後初期(1日目〜3週目)にみられるフリーラジカル(SO, NO)の上昇が修復を妨げる危険因子として作用していると考えられた.自家肋軟骨膜移植は初期のSO, NOの上昇を抑制することがわかった.また, フリーラジカル(SO, NO)は関節内損傷初期のマーカーとなりうることがわかった.
- 近畿大学の論文
- 1996-12-25
著者
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