ビショップ博物館所蔵の東洋区産ハモグリバエ(第 2 報)(農学)
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概要
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ネパール王国産ハモグリバエ科の分布については, これまで23種(Spencer, 1965による7種と, Sasakawa, 1979による16種)が記録されている。今回, ビショップ博物館昆虫部に所蔵されている標本を調べたところ, 5新種と7未記録種を追加することができた。なかでも既知分布域が全北区に限られていたMetopomyza属(M. nepalensis n. sp.)の分布が知られたことは注目される。しかし, 隣接するインド北部のヒマーチャル・プラデーシュ, ウッタル・プラデーシュ, ビハール諸州から記録されている111種(Sasakawa, 1979)に対して, その1/3にも満たない種数からみて, 今後の研究によって未知のAgromyza属はじめ, Melanagromyza, Liriomyza属の種がさらに追加されることであろう。ついで広葉樹のピスフレック(pith fleck)形成害虫であるPhytobia属について, 東洋区及びパプアニューギニア産22種の検索表とともに, 7新種(中国福建省, ラオス, フィリピン, マレーシア(サラワク), インドネシア(スラウェシ島)及びパプアニューギニア)を含む12種を記載した。最後に, Japanagromyza属2種の新しい分布国と1新種(フィリピン), Calycomyza属の1新種(台湾), Cerodontha属の1新種(中国福建省)などの記載を行った。なお, 雄交尾器の特異な形態から既知2種がシノニムであることを明らかにした。
- 京都府立大学の論文
- 1996-12-25
著者
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