蛍光法による多糖類の研究 IV : フルオレセイン-多糖結合体の蛍光特性の色素置換度依存性(農芸化学部門)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
フルオレセインを共有結合で導入したアミロースあるいはデキストランの水溶液中(pH7)における蛍光特性の色素置換度依存性について調べた。それらの励起スペクトル及び蛍光スペクトルは, 遊離のフルオレセインのそれと同様な特性を示し, 置換度依存性は観察されなかった。量子収率及び励起寿命も, 高置換度の結合体を除き遊離のフルオレセインのそれと同様の特性を示した。一方, 偏光度は, 低置換度の範囲内においても置換度に依存し, 置換度の増大に伴いその値は減少した。この場合, 偏光度を規定する外的因子として回転のブラウン運動によるものと, 色素間の励起エネルギー移動によるものが考えられる。色素間の励起エネルギー移動による偏光解消は, 局所的な色素濃度との関係で解析された。また, ペランのプロットを解析して求めた回転緩和時間は, 置換度に依存せず一定の値をとったが, 色素の結合している多糖の主鎖の運動性の違いによって大きく違った。
- 京都府立大学の論文
- 1983-11-15
著者
-
北村 進一
Laboratory of Biopolymers, Faculty of Agriculture, Kyoto Prefectural University
-
久下 喬
Laboratory of Biopolymers, Faculty of Agriculture, Kyoto Prefectural University