ホルムアルデヒド処理材の吸湿過程における曲げおよび捩り応力緩和(林学部門)
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概要
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吸湿過程における木材の応力緩和挙動に及ぼす水分傾斜に基づく内部応力の影響を検討するために, 種々の程度にホルマール化処理を施したヒノキ材(Table 1)について曲げと捩りの応力緩和を測定した。得られた主な結果を要約すると次のとおりである。(1)曲げと捩りのいずれの場合にも, ホルマール化処理を施した材と未処理材の吸湿にともなう応力緩和挙動は非常によく類似しているが, 緩和弾性率や剛性率の値には差がある(Figs. 3と4)。(2)捩りの場合, 乾燥状態から飽湿状態まで吸湿させたときの全緩和量と全膨潤率との間には直線関係が認められた(Fig. 6)。(3)前報で示した式(1)と(2)を用いて求めた緩和剛性率の変化割合N(t)と含水率のそれR(t)との比較から, 両曲線の傾向は非常によく類似しているが, 値はつねにN(t)の方がR(t)よりも大なること, ならびに, 両曲線間の差は抗膨潤能(A. E.)が大なるほど少なくなることなどを見出した(Fig. 7)。(4)非晶領域にある隣接鎖状分子間の水素結合の切断速度が吸湿過程の応力緩和速度を支配するという仮定に基づいて得られた式(12)から推定した応力緩和曲線と実測した緩和曲線との比較から, 吸湿過程における応力の緩和は水分傾斜に基づく内部応力に影響されていることを明らかにした。
- 京都府立大学の論文
- 1971-10-15
京都府立大学 | 論文
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