<総説>プラズマ照射を利用する新規なドラッグデリバリーシステムの設計と開発
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概要
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薬物の生体内の動きを厳重に制御することを目的とした薬物治療の理想であるドラッグデリバリーシステム(DDS)は,国内外を問わず,医薬品の開発研究の中でも最も活発な研究分野の一つである。DDSの基本設計には,リザーバー型とモノリティック(マトリックス)型の徐放性固形製剤があるが,前者の薬物放出の速度定数は外層の網目構造の大きさとその均一性によって定まるため,網目の目の形成方法としてどの様な技術を選択し,工夫するかが問題となる。本研究では,プラズマ照射高分子に生成する表面ラジカルのESRスペクトル研究から得られた基礎的知見をもとに選定した高分子粉末を外層にする薬物含有二重錠剤,あるいは,高分子コーティング顆粒を調製し,これらの錠剤や顆粒へのプラズマ照射により,多孔性外層に変換させた新規リザーバー型DDSを構築した。本DDS構築法は,完全乾式過程であるために残留溶媒の危倶がない等の特徴に加え,外層高分子の選択およびプラズマ照射条件の制御により,広範な目的・用途に適合する薬物放出制御型DDSの構築が可能である。
- 岐阜薬科大学の論文
- 1999-06-30