<総説>ペネム誘導体の薬物設計と開発
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概要
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ペネムは, Woodwardによって設計されたβ-ラクタム化合物である。放線菌から単離されたカルバペネムの知見をもとに, その構造の修飾が行なわれ, ペネムは優れた抗菌力と幅広い抗菌スペクトルを有する, β-ラクタマーゼに対して安定な抗菌剤の候補化合物となった。1つの化合物が医薬品として実用化されるには, 多方面にわたる膨大な研究がなされる。本総説では, その中で, 著者らがコンピューター解析による薬物設計を行なってフロペネムを創製したこと, 次にその開発過程でペネム環に起こる光異性化反応を発見したこと, さらにその反応を利用して次世代のペネム抗菌剤の設計に取り組んだことを述べる。あわせて, 著者らがペネムの探索研究の開始に至った経緯や, ペネム, カルバペネムの領域における有機合成分野の進歩にふれる。
- 岐阜薬科大学の論文
- 1996-06-30