<総説>インターロイキン5の構造と機能
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概要
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インターロイキン5(IL-5)は, T 細胞が産生するサイトカインのなかでも稀な, ジスルフィド結合を介したホモダイマー構造を有する糖タンパク質である。他のサイトカインが複数の標的細胞に働くことにより多彩な生物活性を示すのに対して, ヒトIL-5の生物活性は, 好酸球系前駆細胞にのみ作用するものと考えられてきた。実際, マウスにおいてもヒトにおいても同様に, IL-5は好酸球系前駆細胞に働いて, 選択的な好酸球の増殖ならびに分化を引き起こすことが明らかとなった。一方, 血中および組織局所における好酸球増多は, 気管支喘息, アトピー性アレルギー, 蠕虫感染, 種々の癌において認められる特徴的な症状である。これら種々のヒト好酸球性疾患において認められる好酸球増多がIL-5の産生を伴っていることから, IL-5が好酸球増多症において一定の役割を果たしているだろうと考えられるようになった。さらに現在では, IL-5は好酸球増多症を引き起こす主要な, そして恐らく唯一のサイトカインであると広く認められるようになった。そこで, 本総説では, このユニークなサイトカインの構造と機能について詳細に述べてみたい。
- 岐阜薬科大学の論文
- 1995-06-30
著者
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