<総説>粒剤の苦味マスキングのための最近の製剤化技術と展望
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概要
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薬物の味のマスキングは服薬のコンプライアンスの面から製剤設計上重要な課題になりつつある。基本的な設計コンセプトは, 薬物の生物学的利用能を低下させることなく製剤として口内での薬物の初期溶出を抑えることである。味のマスキング技術は物理的, 化学的, 生化学的及び官能的方法に大別される。薬物の苦味の程度により採用される技術は異なるが, ほとんどの場合物理的方法(マトリックス制御, 膜制御等)が用いられる。本総説では, 味のマスキング評価法について簡単に触れるとともに特に従来から味のマスキングが困難といわれている散剤及び顆粒剤等の粒剤の最近のマスキング技術について紹介する。あわせて, 著者等の開発した新しい苦味のマスキング技術を紹介する。この技術は, 芯物質を球形化あるいは粉体物性を改質化するための設計(造粒)とマイクロカプセル化を液中の同一系内で一貫操作することにより,プロセスの簡略・効率化及び収率の向上を目指したものであり, 苦味をマスキングした散剤の製剤化を可能にした。
- 岐阜薬科大学の論文
- 1995-06-30
著者
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