4.3 イオンの励起断面積について
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概要
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イオンの励起断面積が, 中性原子のそれと異なる事情は, 次の諸点であろう : 1. 実験が困難であり, 特に微分断面積については皆無である。そのために, 理論計算の精度について詳細な検討ができない。2. クーロンが, 主要な相互作用であり, スケーリングが良く成立する。3. 漸近形としてクーロン波をとろ必要があり, 計算が複雑になる。4. Thresholdで有限の値をとる。5. 共鳴構造の存在が顕著である。・理論の計算法としては, 低エネルギー域では, close coupling法, E/E_<th>≳5では, coulomb-Born近似がよく, distorted wave, グラウバー近似なども用いられる。(理論計算のreviewおよび相互の比較については, 文献(1)(2)を参照)A^<q-+>(α)+e→A^<(q-1)+**>→A^<q-+*>(α')+eの過程で表わされる共鳴の重要性が最近指摘され始めている。He^+(1s-2s)での詳しい計算があるが, 実験により充分裏づけられたとは言い難い。その他C^<5+>, Ne^<9+>での1s→2s, 1s→2pで共鳴構造が計算され, 励起係数へ, それぞれ∿20%, ∿10%の増大を生ずると言われている。同様の計算は, C^<2+>(2s^2's→2s2p^3p)でも行なわれている。Li-様, 2p→3s, 2s→3sで, A^<(q-1)**>として2電子励起リドベルグ・シリーズを考えた計算が行なわれ, 前者では, 3pnl, 3dnlの寄与のためにthresholdで, 断面積の値が30倍にもなると言われている・Inner-shell excitationの計算は無い。
著者
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市川 行和
名大プラズマ研
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市川 行和
Resea Information Center Institute Of Plasma Physics Nagoya University
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市川 行和
名大プラズマ研究所
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