静電型エネルギー分析器および飛行時間型質量分析器による高電離定常プラズマの測定
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概要
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QP プラズマの性質を調べる一環として, 10eV 程度の低エネルギー領域でも 2∿3%のエネルギー分解能を持つ静電型エネルギー分析器を製作した。またエネルギー分析器との組合わせで飛行時間型質量分析器も製作した。この実験では質量分解能は 10∿30 であった。記録方法に計数方式を採用し, それによって検出器の感度の質量依存性を除き, さらに読み取り精度を著ちじるしく向上させた。この測定器を用いて QP プラズマの基礎量の一環を測定した。即ちイオンエネルギー分布, 及び各イオン種の存在比をいろいろの動作状態について求めた。 QP プラズマのイオン群がマックスウエル分布に従うことを確かめ, QP プラズマの位置とエネルギー分析器の間で, 断熱近似の成り立つところでは断熱近似から, 又断熱近似が成り立たないところでは粒子軌道を解析し, 実験から求められるイオンエネルギー分布と比較出来るイオンエネルギー分布凾数を求め, 実験値と比較してイオン温度を求めた。結果は水素プラズマ, ヘリウムプラズマの両者とも 2∿5eV のイオン温度であった。水素プラズマの場合 H^+, H_2^+, H_3^+ の各イオン種が存在した。この実験では H^+ イオンの最大の存在比は∿95%であった。