地域づくりとグリーン・ツーリズム : 宮崎県えびの市の事例を通して
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概要
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もともとグリーン・ツーリズムは、1970年代からヨーロッパで進められてきたツーリズム形態である。日本では概ね1990年代に入ってから農山漁村各地において推進されてきた。グリーン・ツーリズムとは、一般的に「農山漁村における自然や環境、景観、暮らし、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動」と定義される。グリーン・ツーリズムの展開は、農村固有の地域資源に都市住民が出会うところから、もしくは農村においてその地域資源を大切にし、それらを生かすところから、すなわち都市と農村の交流を通して始まる。 筆者は、2000(平成12)年度から2002年(平成14)度までの3年間、宮崎県えびの市においてグリーン・ツーリズムをテーマとした地域づくり組織「ふるさとえびの塾」のアドバイザーを委嘱された。その経験と実践を踏まえて本稿では、地域づくりとしてのグリーン・ツーリズムの可能性をえびの市の事例を通して考察するのが主目的である。