垂直的取引理論の展望
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概要
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近年の垂直的取引制限,特に再販価格維持制度や返品制度に関する経済理論の展望を行う.Nariu(1996)は返品制度と再販価格維持制度の同値性を証明した.また,同様のフレームワークを用いてDeneckere, Marvel, and Peck (1996)とDeneckere, Marvel, and Peck (1997)はより一般的な環境で再販価格維持制度が競争的な消費財市場よりも厚生を高めることを示している.そのロジックは再販価格維持制度は在庫の不確実性を縮減することによってより多くの小売業者からの注文を引き出すことが出来ることにある.しかし,これらのモデルは無限の小売業者が競争していてどんな需要状態においてもゼロの利潤を得ている.よって,Rey and Tirole (1986)で分析されたリスクシェアリングを分析の枠組みに人れることはできない.こうした一連の不確実性と再販価格維持制度や返品制度に代表される垂直的制限取引に関する理論を展望すると共にTanno(2003)の研究を紹介する.
- 跡見学園女子大学の論文
- 2003-03-15
著者
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