環境教育における関係性の創造 : 住環境と人間性に関する研究 (その7)
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概要
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本稿は地域社会に貢献したいという強い熱意で思いを馳せる人々が、自分が住む地域や地球を憂い「美しいふるさとを子孫たちへ残してあげたい」と願う大乗的な発想で実践的活動に取り組もうとしているその主体性や自発性、ボランタリーな公共性をどう維持させ組織化していくかが課題である。環境基本法が制定されてから10年が経ち、環境教育の重要性はどこでも聞かれるようになってきたが、浸透性はまったく十分とはいえない。その速度をはるかに超える勢いで地球環境が悪化しているからだ。地球環境問題として自然環境に対する関心はさらに広く深くなり、諸対策を講じている市民や団体の活動は増えている。しかし、社会問題は顕在化するばかりで人間関係は決してよくなっていない。環境教育が戦略的な環境政策の一つとして位置づけられ、その中で共通に理解を求めるべき理念が「人間と自然とのかかわり」に関するものと「人間と人間とのかかわり」に関するものに大別された。そこにみる行動の規範となる精神的な機能面を各主体者が十分に読み取ることができているかどうか問題である。そこで環境教育・環境学習の具体的なプログラムを策定していく中でその精神性がどのように反映されているかどうか現況や問題点を把握しながら、環境教育において[人と人]、[人と自然]の関係性を創造していく上で何が大切か示唆する。
- 共栄学園短期大学の論文