ナサナエル・ウエストの「ミス・ロンリーハーツ」 : そのcomic strip的側面について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Nathanael Westの代表作であるMiss Lonelyheartsをcomic strip (続きマンガ)的な側面から考察を行った。1930年代という大不況の時代に,当時流行していたcomic stripというフォームを用いて,Westがいかにして実存的な人間の存在という深刻な問題を扱っていったのか考えた。方法としては主人公であるMiss Lonelyheartsの描かれ方,彼と対峙する二人の対照的な登場人物である編集長Shrikeと恋人のBettyの人物像,そしてMiss Lonelyheartsを運命的な結末に導く事になるMrs. DoyleとMr. Doyle夫妻を眺めて行った。そうする事によって,この作品が読者の興味を惹かせるcomic strip仕立てに創られながらも,人間の「孤独」という根源的な問題を包含する深淵なものになっている事を確証しようと試みた。本稿に続くものとして,この作品が秘める超現実的な側面,黙示録的な側面,そして時代的な側面の研究が考えられ,順次考察を続けたい。
- 大阪樟蔭女子大学の論文
- 2002-03-06
著者
関連論文
- ナサナエル・ウエストの「いなごの日」(1) : そのハリウッド的側面
- ナサナエル・ウエストの「いなごの日」(2) : TodのInitiation Storyを中心に
- ナサナエル・ウエストの「クール・ミリオン」 : 3 : その「黙示録」的世界
- ナサナエル・ウエストの「クール・ミリオン」 : 2 : そのグロテスク性について
- ナサナエル・ウエストの「クール・ミリオン」 : 1 : パロディ化されたホレイショ・アルジャー・ストーリー
- ナサナエル・ウエストの「ミス・ロンリーハーツ」(3) : その「宗教的」側面について
- ナサナエル・ウエストの「ミス・ロンリーハーツ」(3)その「宗教的」側面について
- ナサナエル・ウエストの「ミス・ロンリーハーツ」(2) : その「超現実主義的」側面について
- ナサナエル・ウエストの「ミス・ロンリーハーツ」 : そのcomic strip的側面について