<論稿>シュタイナー教育思想にみる「教師の自己教育」について : 文部省在外研究報告I
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概要
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本論文は,1999年に文部省の在外研究員として,スイス,ドイツにおいてシュタイナー(Rudolf Steiner : 1861-1925)教育学研究をおこなった成果の一部を提示しようとするものである。現在,世界的に注目されているシュタイナー教育の理解には,その独自な教育実践の方法論的な把握とあわせて,シュタイナー自身の人間観,世界観といった思想的な側面の理解が必要である。本稿では,そうしたシュタイナー思想のうち,とりわけ,シュタイナーによって文明疲弊の原因と強調される「認識論的な欠陥」を考察の軸として,その克服としての「思想の実践的育成」,さらには「教師の自己教育」の内実について論究していくものである。こうした考察の帰結として,従来,等閑視されてきた「事物への興味」「意欲と愛を伴う行為」「思想の満足感」「詳細なイメージ形成」「速断の回避」「思考の断念」「意識的な熟考の持続」等といったシュタイナー教育思想における自己教育的な訓練の意義が確認される予定である。
- 新見公立短期大学の論文
- 2000-12-25