幼稚園から小学校への移行に関する発達心理学的研究III
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概要
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幼稚園から小学校への移行に関して, 移行する幼児・児童自身が移行についてどのように感じているかを明らかにするために, 面接法により, 幼稚園年長児57名および小学1年生117名に対して聞き取りがなされた。結果は, Bronfenbrennerの基準に筆者らの観点を付加した基準によって, カテゴリー分析により整理された。分析は, 性差および出生順位の観点から検討された。その結果, 以下のことが明らかにされた。1.幼稚園年長女児の方が年長男児に比較して, 小学校入学に関して, 有意に強い明確な目標を持っていた。2.小学1年生の場合, 性差に関して有意差のみられた項目は, 幼稚園と小学校の相違点に関する項目であり, 活動カテゴリーにおいてのみ男児が女児よりも多く言及していた。3.小学1年生の出生順位に関して, 有意差のみられた項目は, 幼稚園と小学校の類似点および相違点に関する項目であった。第1子の方が第2子よりも類似点においては, 物理的・地理的条件を多く言及していた。相違点に関しては, 第1子の方が第2子よりも人的条件を有意により多く言及していた。一方, 第2子の方が, 第1子よりも有意に多く言及していたのは, 類似点における人的条件であった。4.面接結果について, 幼稚園年長児と小学1年生の横断的比較をした場合, 以下のすべての項目について, 小学1年始の方が幼稚園年長児よりも有意に多く明確な言及をしていた。すなわち, 入学に際しての不安, 担任教師の期待する1年生像, 幼稚園と小学校の類似点相違点である。
- 長崎大学の論文
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