日本型「市民活動」の源流 1868-1951
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概要
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本稿では比較制度分析の手法を援用し、日本の「市民活動」の源流を解明しようと試みた。市民活動の前史としての戦前期日本の民間社会事業・協同組合運動・企業フィランソロピー活動は、後発資本主義体制下での官僚機構による利用という側面を有しながらも、「大正デモクラシー」を契機に一定の内発的発展を遂げてきた。しかし、戦時体制下の統制によって、ほぼ完全に国家機構の末端に組み込まれてしまった。そして、戦後占領体制(「1945年体制」)とともに復活を見た訳であるが、ニューディーラーの理想主義が日本的事情に合わせて若干の修正を加えられ、占領終了後、官僚統制とイデオロギー対立という戦前・戦中的側面を継承して定着した体制が、戦後一貫して継続してきたと見ることができよう。
- 多摩大学の論文