半世紀以上も昔まだ大学生の頃から、私の心には日本の大学教育のあり方に対する不満が芽生えたが、以後今日まで不満の度合は高まるばかりである。過去十二年間に私が相次いで創設に深くかかわり、かつ初代学長までつとめた二つの大学こそは、私のそうした鬱積した不満の産物だと言っていい。私は本稿で、私の人生展開との関りにおいて両大学設立の経緯、意義、および相互関連について述べてみたい。
宮城大学
宮城大学学長