タクシー乗務員の呼吸器感染症予防の現状
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概要
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タクシー乗務員は狭い空間の中で様々な人たちを運送することから,呼吸器感染症に感染しやすい環境におかれているといえるが,インフルエンザなどの呼吸器感染症が流行している時期でも,マスクを着用しているタクシー乗務員をみかけたことがない.本研究は,タクシー乗務員の呼吸器感染症予防対策について検討することを目的とし,タクシー会社の管理者およびタクシー乗務員を対象に,呼吸器感染症予防に対する意識と予防行動についてアンケート調査および直接聞き取り調査を行った.その結果,呼吸器感染症予防対策のある会社は約20%であり,呼吸器感染症予防対策に関する知識がないために予防対策をとっていない会社もあることが明らかとなった.タクシー乗務員については,マスクを着用したいが客の反応を気にしてマスクを着用できない乗務員もいた.以上のことから,タクシー乗務員が呼吸器感染症を予防するためには,専門的な知識をもった医療職者が感染予防対策に関する知識や情報を会社やタクシー乗務員に提供するなどの介入が必要であり,会社全体での取り組みが必要であると考えられた.
- 2011-05-25
著者
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