工場作業における3段階の危険源抽出法
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概要
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製造工場においては,労働災害をなくすために労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)が導入されているが,その中では工場内に潜在する危険源を抽出し,リスクアセスメントを行い,その結果を用いて,リスク低減をはかる.しかし危険源がすべて抽出されているとは限らず,隠れた危険源が誘因となり労働災害が発生することがある.その原因の一つとして,工場における作業を単位動作まで分解したのちに,さらに危険源の抽出を行うにあたって,危険源の見落としが出てしまうことである.本論文では,リスクアセスメントにおいて,人の行う作業の中に潜在し,トラブルとして顕在化しうる危険源の見落としを減らす方法を提案する.そこでは,まず熟練作業者が作業手順を記述し,それをもとに1)熟練作業者が自身の知識に基づいて作業動作に潜在する危険源を抽出すること,2)作業手順の記述を文脈解析し,事故・災害が潜在するかどうかを調べて,作業動作から事故・災害に至るプロセスにおける危険源を抽出すること,さらに3)実作業における事故・災害の発生,あるいは職場での想定ヒヤリ・ハットによるリスクの発掘の結果から危険源を抽出することという3段階の方法をとる.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2011-11-20