神経ブロック療法で治療を行った頸椎後縦靭帯骨化症8症例について
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概要
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(目的)頸椎後縦靭帯骨化症(以下,OPLL)による愁訴を有する 8症例に対して神経ブロック治療を行い,その有用性について考察した.(方法)神経ブロックは,主として硬膜外ブロックと神経根ブロックをX線透視下で施行した.治療開始6カ月後の効果,2年後の転帰を調べた.日本整形外科学会頸髄症治療成績判定基準(以下,JOAスコア)と愁訴スコアを用いて評価した.(結果)対象の年齢は37〜82歳で,頸髄症が3症例,脊髄神経根症は5症例であった.治療開始6カ月後のJOAスコアは12.4±1.1から14.3±1.3へ有意に改善を示した(P<0.05).愁訴スコアは10から5.1±2.3へ有意に改善し(P<0.01),3症例は著明な改善を示した.8症例中5症例は治療に満足していた. 5症例は2週に1回, 3症例は1月に1回の神経ブロック治療で愁訴が軽減した.2年後には,6症例が社会復帰し8症例中7症例が治療に満足していた.(結論)OPLLは治癒する疾患ではないが,1カ月に1回程度の神経ブロック療法で愁訴が軽減する症例では, 治療を継続していく価値があると思われる.
- 2011-09-25
著者
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