金属アレルギー患者に対してチタン製補綴装置を応用した症例
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概要
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症例の概要: 患者は, 上下顎義歯製作を希望して来院した初診時60歳の女性である. 問診時に, 全身の発疹, 特に手足に重篤な発疹と, 薬物アレルギーと皮膚接触性の金属アレルギーの既往が確認された. これにより歯科用合金による金属アレルギーを疑い, パッチテストを行った. それによると, 多くの歯科用合金の成分元素に対し陽性あるいは擬陽性反応を示した, 口腔内の補綴物を除去し, CPチタン (以下, チタン) により補綴処置を行った結果, 全身のアレルギー症状が改善された.<BR>考察: チタンによる補綴処置後, 良好な予後を得ていることから本症例ではチタンの選択は適切と考えられた. 今後も定期検診を通じて全身の症状と口腔内状況の経過観察が重要と思われる.<BR>結論: 本症例では歯科用合金が全身的なアレルギー症状の要因のひとつと考えられ, チタンによる処置が有効であった.
- 社団法人 日本補綴歯科学会の論文
- 2007-07-10