肥育牛用飼料としての稲わらサイレージの調製と利用
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概要
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稲わらは反芻家畜の大切な飼料資源であり,新鮮稲わらの良質調製と長期貯蔵の技術開発が極めて重要である.稲わらサイレージの発酵品質を改善するために,乳酸菌(LAB)畜草1号が選抜され,稲わらのロールベールサイレージの添加剤として利用されている.畜草1号はグルコースからガスを生成しないホモ発酵型乳酸菌で,L(+)とD(−)乳酸を産生し,低pHで生育できるグラム陽性菌であった.16S rRNA遺伝子塩基配列とDNA-DNA相同性試験に基づいて,畜草1号はLactobacillus plantarumであると同定した.畜草1号の添加によって稲わらサイレージの品質と貯蔵性が改善され,無添加サイレージに比べて,pH,酪酸及びアンモニア態窒素が低く,乳酸含量が高くなった.1年間の貯蔵後,無添加サイレージはカビの発生がみられたが,畜草1号添加サイレージではカビはほとんど認められなかった.肥育後期に畜草1号添加稲わらサイレージを給与された黒毛和種の日増体量は高く,よい枝肉等級と脂肪色(牛肉脂肪ナンバー)を示した.これらの結果から,畜草1号の添加により高品質稲わらサイレージを調製でき,肥育牛の飼料として利用できることが分かった.
- 2009-08-25
著者
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