中等教育段階の生徒における生物進化に対する認識の現状と進化概念形成への人類学学習の効果
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概要
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アンケート調査により新潟県の中等教育段階の生徒が,生物学上の進化をどのように理解しているかについて調べた。その結果,「進化と変態を区別できていない」,「進化を進歩ととらえている」,といった事実が明らかになった。中等教育段階の生徒は生物学上の「進化」という現象を誤解しており,これが生物学理解の妨げになっているように思われる。このような誤った認識の改善を目的として,自然人類学の内容に基づいた進化に関する授業を行なった。事前事後に行ったアンケート調査から,授業によって進化の理解が進んだことがわかった。今回の試みにより,中等教育において自然人類学を扱う利点が存在することが確かめられた。
- 日本人類学会の論文
- 2008-12-01