自家培養表皮 : 再生医療の産業化(基礎と臨床)
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概要
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自家培養表皮「ジェイス」は,ヒト細胞を用いた日本初の再生医療製品であり,2007年に承認された.自家培養表皮は,患者自身の皮膚を原材料として作製した表皮細胞シートである.ジェイスの製造は,3T3-J2細胞のフィーダーと,ウシ胎児血清や増殖因子を添加した培地を用いて表皮細胞を培養するGreen法を採用しており,数cm2の皮膚から体表をすべて覆う面積の表皮細胞シートを製造することができる.ジェイスを広範囲熱傷の熱傷創面に適用すると,表皮細胞が生着することによって創が閉鎖される.ジェイスの生着は,移植部位の状態に大きく影響されることがわかっている.生着を阻害する要因には,感染,炎症,物理的刺激,細胞傷害性物質などが考えられる.ジェイスの有効性を発揮させるために,わが国の医療現場に適した移植手技が標準化されることが望ましい.再生医療製品では,細胞毒性が低い併用薬の選択が求められることから,薬理学的なサポートも重要である.
- 2011-03-01
著者
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井家 益和
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(j-tec)研究開発部
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小澤 洋介
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
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井家 益和
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
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