出芽酵母発現系を用いた病原真菌の多剤排出システムの解析
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概要
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深在性真菌症は免疫不全などの基礎疾患のうえに成立する.原因となる真菌は多種にわたるが,有効な抗真菌治療薬は限られている.広く用いられているアゾール系抗真菌薬は耐性菌出現の問題があり,それを克服するため耐性機構の解析が活発になされ,多くの事象が明らかになった.我々は生理・生化学的性状およびゲノム情報が最もよく解析されている出芽酵母を用いてその解明に取り組んできた.本稿では,先ずnon- albicans Candida のアゾール薬耐性機構について概説し,次に出芽酵母発現系を利用した病原真菌の多剤排出ポンプATP-binding cassette(ABC)トランスポーターについて,これまでに得た知見を紹介した.また,ポンプ阻害剤の探索および新しい抗真菌薬の可能性についても触れた.我々が用いた酵母発現系はABCトランスポーターを分子レベルで解析するうえでいくつもの利点があり,今後,薬剤排出機構のみならずトランスポーターの構造と機能の解明に貢献することが期待される.
- 日本医真菌学会の論文
- 2010-04-30
著者
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新見 昌一
国立感染症研究所生物活性物質部
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新見 昌一
Molecular Oral Biology Laboratory Department Of Oral Biology And Oral Pathology School Of Dentistry
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新見 昌一
オタゴ大学歯学部・口腔科学講座
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