カナダにおける木材保存-1999-
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概要
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この報告は,カナダの木材保存産業に関する広範な情報を提供することを意図したものであり,カナダにおける生物劣化問題,保存処理工場,使用薬剤,処理工程,製品,提携組織,研究課題,保存産業に関わる規制問題などに言及している。カナダにおける木材の生物劣化に関する主たる問題は,褐色腐朽菌により引き起こされるものであり,カナダのいくつかの地域では腐朽の危険性の高い気象環境を有している。<BR>唯一我々が信頼できる十分なデータを有している1992年には,合計およそ4,025m<SUP>3</SUP>の注入缶容積となる60の処理工場において,200万m<SUP>3</SUP>の処理木材が生産された。このうちの約80%は水溶性防腐剤により処理され,20%は油性防腐剤によるものであった。使用された主な防腐剤は,クロム・銅・ヒ素(CCA),ペンタクロロフェノール(Penta),クレオソートであった。1992年における生産量の約半分に一般製材品であり,20%が電柱,10%が産業用資材,そして残りが丸杭などであった。処理された樹種はSPF(spruce-pine-fir)であった。製品のおよそ8.5%は輸出され,消費量の3%が輸入された。ホウ酸類は,最近では液体の水分の影響のない室内部材用として小規模ながら再び利用され始めた。<BR>カナダは,独自の木材保存処理規格を持ち,技術的団体・組織や企業をサポートし,そして木材保存研究の分野において先導的な地位を保っている。防腐産業界における現在の最大の問題は,健康及び環境保護に関する規制が厳しくなっていることである。これら規制に対する産業界の対応は,継続してCCAを安全に使用することに結論づけられる。今後の見通しは,産業界及び関連する政府検査機関が何らかの行動を起こす意向があるならば明るいと思われる。
- 社団法人 日本木材保存協会の論文
- 1999-08-25
著者
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モリス ポール・アイ
Wood Preservation Scientist Composites And Treated-wood Products Forintek Canada Corp.
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モリス ポール・アイ
Forintek Canada Corp