GPセンターの洗卵実態と洗卵法別除菌評価試験
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概要
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卵選別包装施設(GPセンター)の洗卵規定では、150ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム溶液(以下塩素水)、またはこれと同等以上の効果を有する殺菌剤を用いることが示されているが、同等以上の具体的な規定がない。今回、6ヶ所のGPセンターにおける洗卵法の実態調査とそれら洗卵法による卵殻汚染菌の除菌効果を実験室内のモデル試験で評価した。GPセンター5施設は農場直営のインライン式であったが、原卵および洗浄卵の一般細菌数に差が認められた。洗浄の効果を除菌率(対数値)から示すと、紫外線殺菌システム洗浄が80.3%、オゾン水洗浄が57.2%、30ppm塩素水+強力脱臭灯洗浄が50.4%、強酸性電解水洗浄が48.6%、温水+強力脱臭灯洗浄が45.5%、150ppm塩素水洗浄が44.4%であった。一方、洗浄効果試験では、市販Lサイズの卵にSalmonella Eneriidis(SE)を10(8.02)-10(8.18)CFU/個付着させ、GPラインの工程に基づき(但しブラシはせず)9区に分けて試験した結果、水洗だけで10(6.82)CFU/個に減少し、手によるブラシ洗浄を加えると10(5.58)CFU/個に減少した。150ppm塩素水を基本として洗浄試験をした結果、150ppm塩素水洗浄の除菌率45.1%と同程度を示したのは、30ppm塩素水+強力脱臭灯30秒区が47.2%、強酸性電解水試験のアルカリ水洗浄区が43.2%および強酸性水洗浄区が44.1%であった。なお、本試験において人的要因が加わることを避けるためブラシ洗浄をせず、浸漬のみにしたため試験結果(特にオゾン水)に有機物の差による影響がみられた。夜間にオゾンガス殺菌をしている施設でのオゾンガスの効果を原卵の一般細菌数と大腸菌により試験した。その結果、原卵の一般細菌数、シャーレ内の大腸菌液および木片に塗布した大腸菌には除菌効果は認められなかったが、ハートインフュージョンブイヨンに培養し乾燥させた大腸菌には除菌効果を示した。また、オゾンガス濃度0.2ppmオゾン水とオゾン洗浄水2ppm中に9時間、大腸菌を塗布した木片を浸漬させた場合の除菌率は、同程度であった。
- 2004-11-25
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