水素発酵廃液の再利用および環境負荷低減を目的とした有機酸分離濃縮システムの開発
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概要
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水素発酵における廃液の減量化および再利用に特徴を有する,バイオマスからの水素生産システムを確立するために,イオン交換樹脂を用いて廃液から有機酸を分離濃縮する技術を提案する。本研究では,水素発酵廃液のイオン交換における基礎特性を検証した。さらに,イオン交換によって有機酸が除去された分離廃液を水素発酵の希釈水として再利用するフローを想定して,水素発酵試験を実施した。その結果,水素発酵廃液をイオン交換することで,主要代謝物である酢酸,酪酸および乳酸を分離濃縮することができた。比表面積が小さい弱陰イオン交換樹脂は,栄養源の物理吸着による阻害が抑制されるので,最も良好な有機酸分離性能を示した。イオン交換により有機酸が除去された分離廃液は水素発酵の希釈水として再利用可能であり,連続的なイオン交換および分離廃液の返送により,pHを適正に保持できる可能性が示唆された。
- 2011-01-31
著者
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佐野 彰
(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター バイオエコ技術研究室
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古賀 由似子
横浜国立大学教育人間科学部地球環境課程
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佐野 彰
(独)国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センターバイオエコ技術研究室