県看護協会による感染管理スタッフ研修会の有用性
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概要
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長崎県看護協会では,感染管理の知識・技術を理解し,施設内で感染看護を推進するためにリーダー的立場としての役割・実践力を身につけ,患者・家族に安全・安心な医療,看護を提供できることを目的として,1995年から看護師を対象にした長期の感染管理スタッフ研修(ICS研修)が実施されてきた.現在までに,約500名が受講し,研修後も各施設で感染看護を実践している. ICS研修受講者の受講前と受講後に,標準予防策における看護師の知識,態度,実践について調査することにより,研修の効果を検討・考察した.その結果,研修前は知識と態度,態度と実践に,研修後は態度と実践に関係性があった.受講前後,いずれも知識と実践には関係性はなかった.研修において重要なことは,知識および態度を身につけた後の実践であり,行動変容であると考えられる. また,知識・態度・実践得点は,受講前後で増加し,実践得点において有意差が見られた.ICS研修を受講することで,特に実践力が身に着くのではないかと考えられる.標準予防策の具体的対策別得点の変化については,個人防護具で知識得点が,器具・環境,咳エチケットで実践得点に有意差があり,今後の研修で重点的に実施すべき項目が明らかとなった.
- 日本環境感染学会の論文
- 2010-07-23
著者
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金澤 美弥子
日本赤十字社長崎原爆病院看護部
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内海 文子
活水女子大学 看護学部看護学科
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金澤 美弥子
日本赤十字社長崎原爆病院
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山口 友子
健康保険諫早総合病院看護部
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土橋 ルミ子
活水女子大学看護学部看護学科
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松本 みゆき
独立行政法人国立病院機構長崎医療センター看護部
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奥田 聖子
医療法人白十字会佐世保中央病院看護部
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