胃静脈瘤の治療選択
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概要
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胃静脈瘤の治療方法は種類が多く,各施設の対応は現在一定ではない.しかし,内視鏡医の立場で治療アルゴリズムを立てておくことは,緊急治療の多い本疾患では必要である.胃静脈瘤出血を疑ったら,輸液などの内科的治療と家族本人への説明と同意を得た後,内視鏡的治療を選択する.シアノアクリレート(CA)を用いた内視鏡的硬化療法は,胃静脈瘤の緊急止血法の第一選択である.CAはリピオドールと約70% 混合溶液を直接胃静脈瘤に穿刺注入する.出血部位を充てんするだけでなく,周囲の静脈瘤内にも薬液が満たされるように配慮する.異時的に硬化療法やB-RTO(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術)を追加して,完全消失を試みる.Hassab手術は若年者で考慮する.併存する肝機能異常の原因や門脈全体の血行路異常を調査しておく.肝癌合併も必ず調査する.
- 2010-11-20