樹状細胞へのTAT含有タンパク質細胞内導入法による腫瘍ワクチン療法の検討
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概要
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近年HIV-1 TATペプチドなどのprotein transduction domain (PTD) を用いたタンパク質, 薬物などの細胞内導入法が注目されている。HIV-TATタンパク質内には, 11アミノ酸配列 (YGRKKRRQRRR) のPTDが存在し, これを含むリコンビナント融合タンパク質 (rTAT-PTD protein) は, 細胞外より迅速かつ効率的に, レセプターを介さずにほとんどの細胞内へ導入されることが知られている。我々は, 抗原提示細胞である樹状細胞(DC)へのrTAT-PTD protein導入法が, 新たなワクチン療法として利用できるかを検討した。抗原タンパクにはリコンビナントOVA, あるいはtyrosinase-related protein 2 (Trp2) をTAT-PTDの有無で2種類作製, 使用した。最初に我々は, 導入されたrTAT-PTD含有抗原タンパクがDC内でプロセス処理されMHC class Iおよびclass II上に発現されることを確認した。次にrTAT-PTD含有抗原を導入したDCをin vivo皮下投与したマウスを解析した結果, 強力な抗原特異的CTLの誘導および腫瘍細胞からの拒絶効果が認められた。またrTAT-PTD含有抗原導入DCワクチン療法は, 抗原ペプチド処理したDCと比較した場合, より強力なCTL誘導とメモリー効果および治療効果が認められた。このようにDCを用いた腫瘍ワクチン療法にTAT-PTD含有腫瘍抗原導入法は有用であると思われる。
- 日本皮膚悪性腫瘍学会の論文
- 2004-03-31
著者
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