胚移植に関する実用技術の開発と群馬県下における同技術の普及および啓蒙
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概要
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実用技術の開発 1)低単位量のFSHによる黒毛和種牛の過剰排卵誘起処理:未経産牛には総量10 AU,経産牛には総量13 AUを用いた漸減的投与により実施した.未経産牛では優良胚の生産性(数と率)が向上し,経産牛では,移植可能胚率と優良胚の生産性が対照区に比べ有意に高かった.2)胚保存液への乳清の添加利用: ホルスタイン種初乳乳清を10%(V/V)の割合で保存液(PBIBSA−, BMOC−3BSA−)に添加し、培養と移植試験を実施した.培養試験では供試胚(後期桑実胚,初期胚盤胞)の86.4%が脱出胚盤胞に発育し,移植試験では,新鮮胚で63.2%,分割胚で41.7%の受胎率が得られた.3)胚の切断2分離技術の活用:各ステージの胚盤胞を2分離し、染色体分析材料となる栄養膜半切片と移植胚となる栄養膜半切胚を作製した.染色体分析では、作製した20枚の標本中15枚(75.0%)で性の判別が可能であった.10%エチレングリコールと0.1 Mショ糖で凍結した栄養膜半切胚のダイレクト移植による受胎率は54.5%で,同様に凍結した無処理胚の成績とほぼ同等であった.胚移植技術の普及および啓蒙 1988年度より黒毛和種胚の有償配布事業を開始し、これにより実際的な技術者の養成を図った.事業開始以降5年間の移植受胎率は,新鮮胚が62.2%(405/651),凍結胚が52.2%(635/1,216)であり,これにより県下に胚移植技術の安全性が示された.
- 日本繁殖生物学会の論文
- 1996-06-01
著者
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