"糖鎖代謝学"ノススメ
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概要
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N 型糖鎖の付加(N-glycosylation)は,今や真核細胞にとって最も重要な翻訳後修飾機構の一つとして認識されてきている。実際,糖タンパク質上の N 型糖鎖がタンパク質の可溶性や熱安定性といった物理化学的性質に加え,生理活性や細胞内,あるいは細胞間の輸送に影響を与える例は枚挙に暇がない。最近の糖鎖生物学の急速な発展によって,N 型糖鎖の生合成経路はその殆どが解明されているといってもよいが,一方で N 型糖鎖がどのように代謝されるのか,ということに関してはこの“ポストゲノム”と称される今に至っても不明な点だらけ,といった状態である。本総説では N 型糖鎖の代謝について,これまで分っていること,そして今後明らかにすべき事柄について,私見を交えて概観したい。
- 2009-07-31